不意を突いたタイトルですが、結婚式の途中にタレコミがありまして、自分が詐欺グループの中心人物であるカーンの家にいることが分かりました。
僕がとんでもない被害に合ったわけではないのですが、事の成り行きや手口を記しておきます。
出会い
コルカタのサダルストリートで、現金両替をしようとしていて声を掛けられます。(これはカーンではありません)
「ブラックマーケットなら、300ルピーは余分にもらえる」といった内容で、もちろんそんなリスクは必要ないので断り、両替を済ましますが彼は僕に付いてきて、チャイを飲みに行こうと誘ってきます。
→インド定番のお誘いで、なんの接点もない人なので、断ります。
サダルストリートを離れ、道端でタバコを吸っているとばったり再会します。
→タバコを吸う直前が見通しのいい場所だったので、付けられているということはないと思います。
最初に声を掛けてきたRは、不意な再会に気まずそうな顔。Rは連れと一緒だったのですが、その人が日本語を話します。Rが言うには、これから日本語が話せる人と会うから、僕に声を掛けたとのこと。
まあ、その日本語を話す人Bが面白いやつだったので、チャイを飲みに行きました。チャイ屋はすぐ近くの大通りの道沿いにあったので、そこまでは安心して行きました。
なんだかんだ話している内に、まずはチョコ(ハシシ:大麻樹脂を固めたもの)をローカルプライスで買わないかというもの。小指弱ぐらいの大きさで2,500ルピーだったので、ローカルプライスに近い値段だと思います。
それを断ると、日本では居酒屋が好きで、温泉にも行ったと旅館や居酒屋の写真を見せてきます。確かにBが日本人と旅館に泊まっていたり、居酒屋で飲む写真でした。
そこから話は今日飲みに行こうということになり、夕方に待ち合わせしました。
初日のバーと風俗店
街中にあるバーへ行き、3時間ぐらい飲んだと思います。バーも彼らの知り合いなどではなく、紳士のオールドマンが接客してくれる、いい感じの店でした。
ここで、ビール1本と料理を3品、ウイスキーをボトル1本空けました。最初に声を掛けてきたラビは酒を飲まなかったので、約半額の1,000ルピーを僕は払いました。
会計を済ます前に風俗の話になり、システム(女の子が個室で踊ってくれる)が気になり、値段を聞くと女の子と部屋での飲み代が1人8,000ルピー(12,000円)。お触りもありなのですが、インドではかなりの価格。しかも彼らは昨日行ったから、奢りなら付いてくるとのこと。
価格は高かったですが、あくまで僕が行きたいなら行くというスタンスでした。
結局、僕が行きたかったので店に行き、彼らの支払いも終えました。
→騙されたとすれば、ここの価格。店員との会話を彼らが率先して行い、お金をおろしに行く際も彼らの動きが不自然に早かった。怪訝に感じたのですが、まあ行きたいって言ったの僕なんで、そこのお金のことは忘れて楽しむことにしました。
→その後、コルカタのホテルでマネージャーと風俗街の話をする機会がありましたが、価格は上を見ると40,000ルビー(60,000円)まであり、酒を飲むにも、この価格の店は全然あるとのことでした。
その後、Rは家に帰り、Bと二人でカレー屋に行きます。ここでの支払いはBが持ってくれました。
→潤ったからか、飯代ぐらいなら奢ろうと思ったかは不明
2日目の中華と酒とディスコ
Bと意気投合したので、Bの家に移動しました。ここで夕方まで飯を食ったり昼寝をしていましたが、普通にリラックスして過ごします。この時間の間に結婚式への参加の話があり、この話に僕が乗っかります。
→結婚式の参加の話は詐欺の現場としてよく出てきますが、一度この話に乗ってみたかったのと、比較的安全そうな人物という判断と、コミュニケーションにストレスを感じないインド人だったので、この話に乗りました。
結婚式ともう一つ。Rがやたらと土地購入への投資の話をしてきました。
→投資の話は僕が全く乗らなかったのですが、結婚式の最終日まで、Rは時折この話をしてきます。
夕方から中華料理を食べに行って、酒を飲む。新たに違うインド人が参加しましたが、彼からは何も進められることはありませんでした。会計は割り勘。
その後、パークストリートにあるホテルのディスコに行く。盛り上がってないのと、酒が高いので(カクテルで400~600ルピー)近くの店でスイーツを食べてBの家に戻りました。
結婚式へ
翌日、Rが手配、支払いした列車で、Rと二人でブッタガヤ近くの親戚の実家に向かいます。
Rが言うには、交通費は自分が全て出すし、結婚式の村では食費も宿泊費もいらないとのこと。
実際、結婚式の間、食費も宿泊費も取られていません。ただ、お金は一切払わせないと言っていた宿泊先のカーンでしたが、大きなパーティの酒代は5,000ルピー徴収してきました。
→ただし、それまでの酒代、タバコ代はすべてカーンが払っています。またウイスキーは田舎価格が高いので、5,000ルピーでも3本しか買えません。
カーンと一緒に土地購入している日本人
カーンも土地への投資話は何度かしてきました。これが詐欺なのかどうかは判断できません。
単純に投資金を集めているだけかもしれません。
また投資している日本人が二人居て、滞在中にLINEで少しだけ話しをする機会がありました。
ひとりは、カーンが日本に居るときに知り合いでした。お互いの結婚式にも出席した仲(写真確認済み)です。もう一人は同じようにコルカタで声を掛けられ、この家に泊まり、カーンと一緒に投資をしたとのこと。
この二人がどういう状況かは、カーンと一緒に話していたので細かいことは聞けていませんが、今のところ土地は売っていないようでした。
結婚式滞在中
土地購入の話はウザいので、Rを一度叱ってからは、そのことは口にしませんでしたが、これが最後とばかりに真面目な顔で「俺は投資することを決めた」と意味ありげに面と向かって言われました。ただ僕がもう一度叱ると、すぐに黙りこんでしまいました。
ここで別のリークがあります。結婚式に来ていた親族の内、コルカタで旅行会社を営むオヤジから、「カーンは危険なやつで、ブラックリストにも載っている」から気をつけろとのこと。
正直カーンは丁重に僕をもてなしてくれていたのでノーマークでしたが、後日調べてみたところすぐに彼の写真が出てきました。同じく、ブッタガヤの近くの田舎で結婚式というパターンで騙された人がいくらかいるそうです。
写真家 三井昌志さんのサイトより
コルカタで「ガヤの実家に行こう」と誘ってくる男は詐欺師です
結婚式の是非について
結婚式へ連れてくる詐欺があるとすると、結婚式自体はどうなのか疑問が湧きましたが、少なくとも僕が参加した結婚式は本物だと思います。
毎日村の住民が集まり、大きなパーティでは車を20台呼んで、楽団呼んで、DJ呼んで、200人分のご飯を振る舞っているので、偽装するとしたら大赤字になります。
なんでしょう、親戚・知人含め、誰かの結婚式に参加させていたのでしょうか。
被害と仕掛けてきたこと
正規の値段が分からないので、何とも言えないですが騙されたとすれば風俗店の飲み代です。
他、トライしてきたのは、下記。土地購入が本命だったと思います。
・ハシシ(マリファナ)
・土地購入
・今度結婚するカーの妹へゴールドの贈り物(Rから)
後は、ATMに行くときに余分におろすよう勧めてくること
確かにATMは村から30分ほどかかる街に行く必要があるけど、Rとカーンが全部払うなら金要らないでしょと思ったけど、その後から酒代とタバコ代の徴収が始まります。僕が土地の話に乗らないので、実費は取っておこうということでしょうか。
→但し、泊まっていた部屋が他の人が自由に出入りする部屋だったので、カーンは常に貴重品は持っておけ、結婚式の最中などにウエストポーチを後ろに回していると、「貴重品は前にして持っておいて」など、誰よりも荷物の心配をしてくていました。
あとは、Rが最終日にここまでの列車代、Rが支払ってくれていた水やタバコ代をすべて徴収してきたこと。別れ際に渡した時、お釣りもくれませんでしたから。とはいえ、数百ルピーで、ブッタガヤまで送ってくれたので、詐欺というのとは違うと思います。
再訪したコルカタで再会
この記事を一度アップした後に、コルカタでバッたり彼らに再会しました。
Bは数か月前まで日本で働いていたので、日本の知り合いからお酒を飲んでる写真を見たと連絡があり、彼らが写っている写真と名前は伏せています。
ただ逆にその出来事で安心し、また飲みに行きました。
最後に全体の見解
ーR
土地購入を何度も誘ってきましたが、これが詐欺かどうかは不明。単純にビジネスパートナーを求めていたのかもしれません。結婚式の間のお金をすべて払うという約束は破りましたが、単独の被害はなし。再会して話した時もビジネスの話は出ましたが、投資の資金が足りないからパートナーを探しているだけの可能性が高いと思いました。
ーB
楽しく飲んだだけ。結婚式後、インドの他の場所を回ってコルカタに帰ってくるのを知っているせいか、毎日のようにLINEがくる。もしかしたら、ここでなにかトラップを考えているかも。結果何もなかったので、カーンと繋がっていても、悪い人ではないように思いました。
ー共同犯
風俗店での遊び代。これがボったくり金額なら、10,000ルピーづつぐらいは懐に入っているので、満足はしたかも。といっても、これは分からない。
ーカーン
正直めちゃめちゃ面倒をみてもらった。彼からも土地の話はあったけど、すぐに決められないと濁すと、「そうだね、一回帰国してゆっくり考えて」とあっさりした態度。弟の結婚式でそれどころではなかったのかも。
また強引な手に出なかったのも、カーンは前科があるので、警察沙汰になる窃盗や暴力は避けて、あくまでこちらが話に乗ったという流れにしたからかもしれません。
もしかすると、↓下記で十分な上がりがあったので、自分の弟の結婚式に集中していたのかも。
写真家 三井昌志さんのサイトより「2019年8月19日に、このブログ記事を見たという日本人の大学生から「コルカタでカーンという男から実家に行こうと誘われて・・・」
コルカタで「ガヤの実家に行こう」と誘ってくる男は詐欺師です
この記事を見て震えたのですが、僕がカーンの家に行ったのも2019年8月19日なんです。最寄駅に着いたのが18時を過ぎていたので、コルカタ(午前中)→実家(夕方)だったと考えると、すごいタイミングだなと。
ただ諸々推考をしてみましたが、結局のところ、今回の諸々について結果は不明です。
僕が運がいいだけかもしれませんし、1回ボッたくられているから(仮説)、それが十分な被害かもしれません。
純粋に土地投資への資金が足りないので、共同出資してくれるパートナーを探しているだけという可能性もあります。
なので今回の審議は未来に持ち越ししておきますが、カーンが悪人だと知った時にはショックと不安になりました。
もしコルカタで声を掛けられて遊びにいこうとしていて、このページにたどり着いた方。ブッタガヤ近くへの結婚式参加は安パイを取るなら止めましょう、約束はぶっちぎりましょう。ホテルを知られているなら移動すればいいでしょうし、ホテルのスタッフに相談してみましょう。
他のサイトも見る限り、コルカタの詐欺は長期に渡るものが多く、その間全てに対して「ノー」のスタンスでいると、なんらかの上がりを得るために、暴力的にもなり兼ねません。
ローカルの人との触れ合いで、旅行者だけでは見えない景色が見れるのは確かです。正直、カーン家の滞在はすごく刺激的でした。
ただ三井さんの記事やカーンの犯罪歴を見てからは、後味がすこぶる悪いです。はっきりとしないことですが、コルカタ滞在中や結婚式の間、彼らが何を考えていたかを振り返ると、それはもう最悪です。
なにかを起こすのに、多少のリスクを取る必要性も理解しています。
僕も泊りは今回が初めてでしたが、ディスコやバー、食事やチャイなど、何回もインド人と一緒に行ったことはあります。
ただコルカタは止めておきましょう。すぐにカーン一派と繋がりそうな気がします。