コルカタに着いて向かったのは、サダルストリート。ではない。
それというのも、サダルストリートがもはや、バックパッカーのストリートではなくなっていることを知っていたから。
そもそも元バックパッカーのお気楽旅行で、年齢も考えると少し外した方がいいと思い、サダルまで15分ほど歩く、「マザーテレサ」のボランティア施設やプリーの日本人宿「サンタナ」のコルカタ店がある通りのホテルにした。
なんとなく、そういうものがあるってことは便がいいんだろうし、エアコン付きで手頃なホテルが見つかったのも理由だ。
とはいえ、まず見たいのが今のサダルストリートには変わらない。
サダルストリート(2019年8月)
雨季のコルカタ。運が悪いことに着いた初日が今年一番の大雨とのことで、汚水にまみれたサダルストリートに到着。
パラゴンやマリアがある一角を除いて見ても、確かに旅行者がいない。
それ以上に、サダルにたむろしている客引きやゴロつきインド人の姿がない。聞くと、政府の方針で一斉排除されたそうだ。
人力車は今だ健在なのは、嬉しいところ。
こういうファミレスみたいなところもあり、ニューマーケットが近いので、インド人のためのストリートになっているようだ。
成長国の変化とバックパッカーの終わり
雨宿りをしながらしばらくサダルストリートの往来を眺めていると、レストランができているのもそうだけど、5年前と比べると身に着けているものがリッチになっているし、バングラデシュからの移民が多いので、現金両替所が増えている。
旅行代理店にもツーリストの姿はなく、客は恐らくバングラデシュ人ばかり。
かつての自分たちの場所が、バングラデシュ人に置き換わっていることを考えると、バックパッカーの行き場というか、集まる場所って本当にどんどん消えていっていることを感じる。
そもそも、ホテル予約を安宿まで予約サイトで受け付けるようになってから、そういった傾向は見えていたし、必然なことで、そもそもなんでみんな近くに泊まる必要があるのかと訊かれても正論はない。
ただ、旅行者が1つのストリートに集まり、現地のゴロつきや詐欺師、旅行者向けの変なレストランやサービスが生まれ、それが話のネタになって、人が集まってそれを話す。
幼稚な学校生活みたいだけど、そういう有名なストリートやエリアの存在って、旅を充実させる上で結構大きいと思うんです。
オールドバックパッカーとしては寂しい限り。
まだ変化の過渡期なので、もう20年ぐらい経つと、自分がしていた旅とは全く違うものになるんだろな。
現地の人との触れ合いはもっと簡単になるし、信頼もレビューで分かるんだろうから、ビジネスチャンスや趣味の繋がりを求めたバックパッカーとかも増えそうだ。